弁理士の二極化と未来~淘汰されない弁理士になるために~

弁理士
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弁理士は今後二極化すると考えられます。

『生き残る』か『淘汰される』か。
『淘汰される』なんて、まっぴらですよね。

ではこれからの時代で『生き残る』弁理士ってどのような弁理士でしょうか。

あなたは今後生き残れるの?ちゃんと稼いできなよ!!

ぱぱー、ちゃんと生き残ってね!!

・・・そんな、家族の声が聞こえてきますよね?

でも、基本的なことを抑えていれば大丈夫でしょう!!

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クライアントのニーズに応えられているか

生き残るためには、クライアントのニーズに応えることができること。
これが、最大にして最も重要なポイントでしょう。

弁理士の資格を取るのに、それなりにお金をかけています。
その他の自己啓発(英語や経営学、他国の法律勉強)にも、それなりのお金をかけています。
でも、資格自己啓発が人生のお荷物(マイナスポイント)になる人って結構な数いると思います
よく言う資格マニアのように資格を取っただけで満足したり、自己啓発をしただけで自分ができるような気がして満足したり、皆さんは大丈夫ですか??

もちろん、やらないよりはマシかもしれません。

でも、せっかく資格や自己啓発にお金をかけたのであれば、収入に繋げたくありませんか?

弁理士の淘汰(第一フェーズ)

今後弁理士の仕事はAI技術の発展によって、一部は確実になくなるでしょう。
それは10年以内かもしれません。これを第一フェーズと呼びます。

第一フェーズで淘汰されるのは、創作力のない弁理士だと考えられます。
特許の明細書作成を例にとっても、発明の実施形態等の大部分は汎用的な内容です。多少の記載を加筆修正すれば、かなりの出願で応用が利きます。
つまり、この部分って本当に弁理士の技術が必要だと思いますか??AIであれば、クライアントから提供を受けた発明の内容の記載から、キーワードを抽出し、そのキーワードをもとに、実施形態を記載することは容易だと思います。

現時点ではまだそこまでのAIは誕生していませんが、明細書作成に当たり、人の感覚や経験にだけ頼るよりは、AIの力を取り込んだほうが、クライアントおよび弁理士の双方にとって絶対にプラスになるのは明らかです!!

つまり、第一フェーズでは、今後誕生するだろうAIと同レベルの明細書の質の明細書しか書けない弁理士は淘汰されていくでしょう。

私自身は、このようなAIが誕生したらむしろ嬉しいです。
AIを利用して今まで以上の明細書の質を担保できるようになるかもしれません。そして、ちょっとだけ毎日のデスクワークから解消されすよね。デスクワークが減れば肩こりや眼精疲労が緩和するでしょう。弁理士の職業病を緩和するために是非ともAIの早期誕生を望むばかりです。

↓↓弁理士の職業病についてのページです。

弁理士の職業病と解決策~肩こり、眼精疲労の緩和方法について~
弁理士の職業病と言えば、肩こり、眼精疲労、腰痛でしょう!!誰もが苦しむその職業病を緩和できる方法をご紹介します!!弁理士の職業病弁理士のルーチン業務は完全なデスクワークです。毎日パソコンと向かい合って、明細書や中間応答書類等とに...

弁理士の創作力って?

では、弁理士にとって、創作力とは何でしょうか
少し考えてみましょう。

私は、弁理士にとっての創作力とは、クライアントの本当のニーズ(文字で表されていない部分)に合わせた、戦略的で強い権利をとれるような明細書を書ける能力だと思います。
クライアントの本当のニーズを探求することや、クライアントに戦略的な明細書を提供できるのは、AIを利用すれば遠い未来には可能になると思われます。しかし、それは少なくとも数十年後の話でしょう。とすれば、クライアントのニーズを確実に抑えられる創作力が必要となるのは明らかですね。

今後、創作力のある弁理士として活躍していくためには、『どこにクライアントのニーズがあるのか』、『他社の権利範囲はどこまでか』、『予想される侵害態様をすべて排除できる戦略的な特許権獲得のためにはどのような明細書を書けばよいのだろうか』といったことを常日頃からしっかりと意識することが大事です。

弁理士として今後も『生き残る』ためには、上記のような視点で考えることが重要でしょう!

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社会のニーズに応えられているか

クライアントのニーズって、結局は社会のニーズですよね?
社会のニーズがあるからこそ、クライアントはその分野で技術開発を進めるわけですから。
逆に、社会のニーズが全く無い分野で、技術開発を進めたとしても、クライアントは利益を得られないだろうことは容易に想像がつきますよね。
・・・とすれば、今後生き残る/淘汰される弁理士が見えてきませんか?社会のニーズに対応できずに、淘汰されることを第二フェーズと呼びます。

弁理士の淘汰(第二フェーズ)

クライアントのニーズに応えるのみではなく、社会のニーズを予測し、そのニーズを分析し、クライアントに提供するような働き方をすることも必要となると考えるのは必然的です。
すなわち、『社会のニーズを把握』し、『社会のニーズに合わせた知的財産権(特許権のみならず意匠権、商標権も)の取得をクライアントに提案』できることが今後の弁理士には求められます。
  1. クライアントへの情報提供に基づき、クライアントが社会のニーズに合った技術開発を進めることができる。
  2. 新たな技術開発の内容に基づき、新たな出願依頼が来る。

このような、弁理士とクライアントとの関係は、理想的な関係だと思いませんか?
このような働き方ができたらよいと思います。これぞ今後も生き残る『優秀な弁理士』でしょう。

理想の弁理士に近づくために

優秀な弁理士になるためには、誰でも書けるようなありきたりな明細書を書くだけではいけません。
あらゆる情報を収集し、クライアントに適切に発信すべく、様々な自己啓発をしなければなりません。
皆さんであれば、どのような自己啓発ができると思いますか?
弁理士とクライアントが『win-winの関係』になるために、時間が許す限り次のことを積極的に行ったほうがよいでしょう。
  • 最新の技術の動向を調べる
  • 各社の動向を調べる
  • 各社の今後の進むだろう方向性を見極める
  • 展示会に積極的に参加する(各社の注力分野を探る)
  • 経営について学ぶ(MBA取得など)
  • 海外の同分野の技術動向を探る
  • 侵害について学ぶ(付記弁理士など)

皆さんはできそうですか?
皆さんの周りにいる『優秀な弁理士』って、上記のことを積極的に行っていませんか?あなた自身が『優秀な弁理士』になりたいのであれば、どれもおススメですよ?


ご存知の通り、大半の弁理士はお尻に根が生えており、お尻が椅子にくっついています。そして、コミュニケーションの場が苦手な人が多いです。
一方で、『優秀な弁理士』はお尻が軽いと思いませんか?あらゆる人とコミュニケーションを取れる人ですよね。

皆さんは、どちらのタイプの弁理士でしょうか?いずれのタイプの弁理士であっても、やる気さえあれば大丈夫です。
人は、人が想像できることであればなんだって克服できる』という言葉もありますし、『神は人が克服できない試練は与えない』という言葉もあります(私は宗教は興味なしですが・・・)

初めの一歩さえ踏み出せれば、どうにでもなります。
皆さんもぜひはじめの一歩を踏み出すべく、頑張ってくださいね!!

生き残る弁理士になるために、
クライアントのニーズ及び社会のニーズを適切に把握し、
クライアントに適切なアドバイスができるようなコンサルタント業務を行い、
明細書の仕事も獲得し、有効な権利を獲得する
というような一連の流れの中で仕事を獲得していく必要があるでしょう!!
このサイクルを獲得できるようになれば、今後『優秀な弁理士』になれること間違いなしです!!

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